雨の日曜日

宛先もわからないまま

コンバースが懐かしくて

 久しぶりにあった友だちの足元が、あの頃と変わっていなくて安心する。変わらないことにほっとするだなんて、わがままだね。歩道橋を登るコンバース、わたしはいつも後ろをついていくばかりだな。

  変わっていくもの、変わらないものがそれぞれあって、どうしても変わらないものに安心してしまう自分がいる。すべてを知りたいわけでは決してないのに、ふとした瞬間の知らない横顔に寂しさを感じてしまう。

 毎日のように会っていた相手でも、一年、二年会わないことが普通になって、挨拶は「久しぶり」に変わる。

 交わす言葉が変わっても、話す内容が大人になっても。どんなに久しぶりでも、それでも気まずくならない関係が、空気が、嬉しいよ。

 今日もまたねと手を振った。約束なんてしないけれど、次が必ずあるとわかるから。たとえきみがどんなに変わってしまったとしても、何度だって見つけられるよ。

 前を行くコンバース。わたしも置いていかれないように、振り返らずにいくよ。