雨の日曜日

宛先もわからないまま

星の足跡

同じ星座を辿れなくたって、伝わることは、ちゃんとある。

言葉を海に例えるひとは多いけれど、わたしにとって、言葉は星です。 無数の星の中から、ひとつ、ひとつ。 選んで、辿って、星座にするように言葉を紡ぐ。 遠くて決して掴めるものではないから、隣で指をさして 「あれと、あれを結ぶんだよ」なんて言ったって-、 同じ星座を辿れるとは限らないし、 まだまだ上手に星座を見つけられなくて、描けなくて、 もどかしく思うことばかりだけれど。 いつか同じ星座を辿れるひとは必ずいるし、伝わることは、ちゃんとある。

冬は空気がひんやりしているせいか、 なんだか透明になった気分、ミネラルウォーターみたい。 2月は短くて、いつもあっという間に過ぎていく。

オリオン座。

最近になってやっと、いつだって誰かに「大丈夫」と言って欲しかったんだと、気が付いた。 これまでの強がりな自分を受け入れてあげられたような、持て余していた自分の感情に名前がついたような、そんな安心感。 いつも何かを探していて、誰かになりたかった。 自分のことさえ何ひとつわからないまま、ただ漠然と。 起き抜けの低い体温でカーテンを開けて、 今日もわたしはわたしにしかなれないって、結露で窓を伝う滴を見て思う。 そんな朝が、何度もあった。 それぞれ、そのひとにしか描けない星座があるはずだと、今はそう思える。 そして、その星座を辿ってくれるひとも、必ずどこかにいる。 だから、大丈夫。

2月はまだ待ってくれている。